この記事は、タイパーAdvent Calendar 2021 9日目の記事になります。
8日目の記事は「donuts」さんの「2021年のタイピング、マイ運指の変遷」です。
C4LAN 2019冬参戦以降コロナが流行し、めっきり高知に引きこもっております。
東京に最後に行ったのは、2020年2月。
今までは少なくとも年6回は行っていたので、随分生活も様変わりしました。
2021年2月、高知ゲーマーズユナイトを作る。
2月はesportsスペースのプリーズが高知から撤退していた時期で、
こんな所でゲームできるスペースあったらいいなと物件探していたら、
良さげな物件があったので自分で借りてみました。
ここで、
ゲーマーに遊んでもらったり、
Web会議に出席したり、
打ち合わせやったり、
家庭教師的なことしてます。
パソコンを使ってもらう初歩のステップとして、タイピングがあるだろうということで
高知県esports協会の方と連携をしながら、
高知県内でタイピングを普及していく活動に、タイパーの立場から支援をはじめました。
高知県内の大学でTypingLandを用いたタイピングの授業を実施したので、
感想などを投稿します。
ページの後半では、esportsのメリット・目的について雑多に書きました。
esportsファンの方は、こちらだけでも読んで頂けると嬉しいです。
ゲーミフィケーションとは?
Wikipediaを引用しますと、ゲーミフィケーションとは以下のように定義されています。
最広義: 社会的な活動にとってゲームが役に立つこと。
狭義: コンピュータ・ゲームのなかで特徴的に培われてきたノウハウを現実の社会活動に応用すること。アドバゲームやシリアスゲームは含まない。
最狭義: 強化学習プロセスやフロー体験を成立させるための最適なフィードバック設計のノウハウを応用すること。
ゲーミフィケーション Wikipedia
2年かけて作ったタイピングのアプリをもうすぐ公開します。絶望的な拡散力なのでどうしたらいいのか。 pic.twitter.com/wy9C3Rq1YV
— higo (@higopage) October 22, 2021
タイピングランドの紹介動画を見ていただくと、
ゲーミフィケーションをイメージしやすいのではないかと思います。
ただパソコンを1台与えられて
キーボードを見ずにタイピングできるようになりなさいと言われても、
なかなかタッチタイピングできるようにはなりませんよね。
タイピングランドのようなソフトを使用することで、
タッチタイピングの修得がぐっと容易になります。
タイピング授業の実践例
おおよそ25人くらいの生徒(専門職大学生)を対象に、TypingLandをインストールしたノートPCを6台準備。
生徒には2人ペアになっていただき、チャレンジの課題の中からTypingLandを体験プレイしてもらいました。
一人がぶんしょうの「あいさつ」、
もう一人がころころキューブ(アルファベット26文字の大文字と小文字を打つ)
をプレイして合計得点を競う形で行いました。
点数が確定したら、黒板に書きに行ってもらう。
授業の時間は1時間。
全員に一通りプレイしても少し時間は十分に余るくらいで、
余った時間は興味のある学生で練習してもらいました。
一般学生のタイピングレベル
「ころころキューブ」の方は、大文字が出るたびにShiftキーを押す必要があり、
どの学生も難しそうにプレイしていました。
(あとバグのためかプレイしたのに0点と出ることあり。)
初見だと2分強はかかっていた印象です。
得点としては初見2000点くらい、少し練習後10000点くらいは取れていた印象です。
20000点取れたらめちゃくちゃ凄い。
「あいさつ」の方は、皆さんレポートを作る必要もあるためか、それなりに打てていました。
160000点くらいが平均で、1番上手い人が何回かトライして200000点出るという感じでした。
一般学生の運指について
いわゆる標準運指は25名中に2名程度でした。
(わたしが想像している以上に、標準運指は廃れているように感じました。)
標準運指の方は、やはりこれまでになんらかのタイピングソフトに触れられている経験がある方のようでした。
ころころキューブをプレイする場合は、左Shiftキーを多用するため、左Shiftキーを左中指で押されている方が多かった印象です。
学生の皆さん、レポート作成はされるとのことです。
通常のローマ字入力でも、AキーやSキーのあたりに左中指を構えて少し手を立てるような形でキーボード全体が見渡せる形を取っている方がいるのが印象的でした。(3,4人はいたので珍しくもないように感じました。)
日本語の場合、AIUEOの母音の入力回数が多いことから、入力回数の多いAキーをカバーするために、このような運指が採用されたのではないかと考えます。
わたしは標準運指にこだわる必要もないと現時点では考えているので、とりあえずのアドバイスとしては、人差し指、中指のみでタイピングしている方には、薬指まで使用してみるようにアドバイスしました。
タイピング授業は盛り上がります!
授業全体の感想ですが、大成功で終われたと感じます。
聞くだけの講義ではなく、学生にとって負担感が少なく
参加型の授業であったのも良かったのではないかと考えます。
タイピングランドの持つ楽しい雰囲気(キャラクターや音楽)の中、
仲のいい友達同士でワイワイとタイピングできるのが良かったと思います。
(instagramの写真、サイドのボタンを押すことで複数枚見ることができます。)
授業の冒頭では、
わたしからMicrosoftストアからのダウンロード方法の説明と、タイピングの実演を行いました。
タイピングを習熟すると、どのくらいの速度で入力できるのかを実感してもらえたので良かったと思います。
今回訪問したのはリハビリテーション関係の大学でしたので、
病気の方のリハビリや、認知症予防、障がいのある方のリハビリなどに
活用できないかといったことも検討されているようでした。
1回だけの授業でも少なからず効果はあると感じましたが、
週に1回などの頻度で一定期間こういう授業を続けることが出来れば、
生徒全体のタイピング力の成長は更に期待できると考えます。
情報系の授業のある商業高校や大学では、
タイピングが授業に組み込まれていることもあると思いますが、
大人になるまでタイピング自体の練習に向き合う機会を得られない方も多いと考えます。
個人的には小学生時代、中学生時代、高校生時代、大学生時代ごとに1回ずつ程度
タイピングに向き合うタイミングがあり、成長の度合いを見られる・感じられると良いのかなと考えます。
これからタッチタイピングを身につけようとする人へ
タッチタイピングを身につけることは、これからの時代、まだまだ役立つスキルと考えます。
タッチタイピングできるようになるまでに、どのくらいの時間がかかるか?という質問については、
毎日15分練習して3か月程度と回答しておきます。
インターネットを調べると、短い日数で修得できると記載されていることもありますが、
そんなに都合よくは覚えられないものと考えます。
タッチタイピングになりたい!
とチャレンジして、挫折して、しばらく休んで、また練習してというのを
繰り返しながら身につけていく人も多いと思います。
2021年に公開されたタイピングランドというソフトは、
タッチタイピングを覚えるまでのしんどい時期を乗り切ってくれる大きな助けになると思います。
Microsoftストアから無料でインストールできますので、是非プレイすることをおすすめします!
esportsとしてのタイピング、現在地とこれから
タイピングは、REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIPの開催などを通じて
esportsとしても認知されてきたと言えると思います。
タイピングがメディアに取り上げられる際、達人が神業を披露する的な企画が多く、
これまでは達人が一般の人向けに直接指導する機会というのはほとんどなかったように思います。
スポーツの野球だったら、
メジャーリーグ、プロ野球>高校野球>リトルリーグ>少年野球みたいにある程度
階層があり、プロ野球選手が少年野球の指導をしたりという機会があります。
タイピングの場合は、
いきなり超上級者決戦しか準備されてこなかったように感じます。
たのんさんが今年のタイピングアドカレの初日で書かれた
タイピングイベントのWarrior of Typingなどは工夫されて
上級者以上であれば参加しやすい環境が準備されています。
esportsとしてのタイピングは、
裾野を広げ、敷居を下げていくような活動が望まれていると考えます。
esportsのメリット・目的について考える
esportsは、
そもそもメーカーの「ゲームを売りたい、PC関連商品を売りたい」
という目的から始まっている側面があります。
ゲーム関係者は、利益相反の関係にあり、なんらかの発言をしても
ポジショントークとして取られやすい。
ネガティブな意見は発しやすく、波及しやすい。
これはどの分野でも同じだと思う。
だから
ポジティブな意見について一度整理してみるべきだと思い、
自分なりの意見を書いてみます。
esportsが成功するか?と聞かれると微妙な感じもする。
しかしesportsを盛り上げようという動きがなければ、
ゲーム文化の廃れていく速度は加速していくと感じます。
2019年度の麻布中学校の社会の入試問題で「スポーツの歴史」に関する出題がされています。
これを読むとスポーツの歴史として、戦いがスポーツに置き換わってきたことを理解できます。
日本の空手や柔道なども元々は実践(人を倒す目的)であったのが、
スポーツという文化に変わってきたのだろうという流れは分かりやすい。
esportsという文化は生まれて短いが、スポーツと似ている部分も沢山あり
参考になる内容と考えます。
今の時代に「走る」というスポーツに対してメリット・目的を問われた時、
東京から大阪まで物を早く運べるようになると答える人はいないと思う。
しかし、200年前には飛脚という職業は存在していて、
この理由は十分理にかなっていたのかもしれない。
現代のスポーツのメリット・目的としてすぐに思いつくのが
「健康になる」「コミュニケーションに役立つ」ということだ。
やり過ぎれば不健康になる、
やらない人にとってはコミュニケーションに役立たない。
という指摘を受けることは免れない。
カーリングはスポーツとして認識されているが、
果たして「健康になる」のだろうか?
そもそもメリット・目的なんてものはなくても、
面白ければ、私たちはやったり見たりするのかもしれない。
esportsのメリット・目的とは何か?
これに真面目に答える必要はないのかもしれないが、
わたしとしては、
esportsのメリット・目的として「判断力の向上」を挙げたいと思う。
コンピューターとインターネットが生まれたことによって
社会は複雑になっている。
競技タイピングはesportsの中では最もシンプルで
スポーツに例えると「走る」に該当すると思う。
タイピングを習熟することで、
ほとんど考えることなく、ストレスなく、
インターネットにアクセスし、検索することができるようになる。
飛行機のチケットを取る
ホテルの予約を取る
求めている情報へのアクセスが良くなる。
多くのesports競技は、リアルタイムに判断を求められる。
ストリートファイター、ソウルキャリバーなどの格闘ゲーム
ぷよぷよ、リアルタイムバトル将棋などのパズルゲーム
Beatmaniaなどの音ゲー(リズムゲーム)
eFootball、グランツーリスモなどの実際のスポーツシミュレーションゲーム
フォートナイト、APEXなどのバトルロイヤルゲーム
LoL、DotAなどのMOBAゲーム
すべて共通して、判断する能力が求められ、そして鍛えられる。
それが、きっとゲームの世界以外にも役立つのではないかと考えます。
安くホテルの予約や飛行機のチケットを買う。
自分の都合のいい時間に、お店を予約する。
判断力を求められる場面は沢山ある。
スポーツと同じで
esportsゲームのやり過ぎによって、
逆に判断力が低下するという指摘は免れない。
プロでもない限り
日常生活に支障が出るほどゲームをする必要はないと考えます。
最後に
雑多な文章を、最後までお読みいただきありがとうございました。
前半と後半で、あまり脈絡のない内容になってしまい、
おまえの判断力は大丈夫か?
そんな声が聞こえてきます。
C4LAN、タイピングサミットなど
みんなで集まれる場所が復活することを願いながら
クリスマスまで、あと17日
みなさん、良い日をお過ごしください。